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電子カルテ情報を活用する医学研究が近年特に注目されています。従来から行われてきた取り組みは、プロジェクトごとに診療情報を収集する個別のシステムを設計開発し導入する手法で、一つの病院で複数のプロジェクトを実施する場合には、プロジェクトの数だけ必要な機器やシステムが導入されてきました。しかしながら、医療情報システムから診療情報を収集するという同一または類似の機能に対して複数の仕組みを開発導入することは、研究開発費のオーバーヘッドはもちろんのこと、各医療機関の情報部門の業務負担にもつながっていました。
私たちはこれまで、がんゲノムの領域、難病ゲノムの領域および感染症領域と複数の異なるプロジェクトにおいて、共通の仕組みを用いて、電子カルテシステムから診療情報を取得する取り組みを進めてきました。そして、その共通の仕組みはプロジェクト共通ということだけではなく、異なるベンダーの医療情報システムであっても共通の情報を取得できるという方法を開発し、複数のベンダーの協力のもと進めてきました。
当初、小さなグループで始めた取り組みが、次第に注目を集めるようになり、私たちが取り組んでいた領域を超えて活用する動きも出てきました。そこで、これまで緩やかな会議体として連携していた体制から、組織として仕様を議論し、それを定め、着実に実装を進める体制へと移行することが、この取り組みをさらに多くの領域での活用へと発展させることにつながると考えました。この新しく組織するJASPEHR連絡会議が、日本の医学研究の発展や新しい医療技術・医療機器の開発、創薬へとつながることを期待しています。
電子カルテシステムで入力した診療記録の内容が、異なる電子カルテシステムであっても共通の項目として、診療および医学研究に活用可能な構造化された記載方法、すなわちテンプレートによる記載の仕組みの標準的な仕様を策定し、参画する各ベンダーにおいてそれを実装し、日本で行われている様々な臨床研究や記録の標準化、診療の質の向上に寄与することを目的とします。
JASPEHR連絡会議およびそのもとで活動するベンダー連絡会議は、各研究プロジェクトの状況に応じて以下の活動を行います。
幹事社においては、以下の活動をおこないます。
なお、これらの活動は各参加企業の自由意思によっておこなわれるものとし、連絡会議が各参加企業になんら強制することはありません。
国立国際医療研究センター 医療情報基盤センター 美代賢吾
〒162-8655 東京都新宿区戸山1-21-1
電話 03-3202-7181（内3534）
電子メール cmii-info@hosp.ncgm.go.jp
JASPEHR連絡会議では、以下の機能について現在開発を進めています。
JASPEHRテンプレートは、FHIR Questionnaireリソースに則った記法で記載されていますが、参画するすべての電子カルテベンダーのテンプレートに対応するために、本来のQuestionnaireより強い制約をかけています。作成したQuestionnaireのテンプレート定義が、JASPEHRテンプレートとして適正で定義が逸脱していないかを検証するツールを開発中です。
03-3202-7181
cmii-info@hosp.ncgm.go.jp
