JASPEHR Implementation Guide
0.5.11 - draft

JASPEHR Implementation Guide - Local Development build (v0.5.11) built by the FHIR (HL7® FHIR® Standard) Build Tools. See the Directory of published versions

Abstract

Profiling 大方針の策定

電子カルテのテンプレートに相当する概念として、FHIR では Questionnaire resource が定義されている。Questionnaire は、電子カルテのテンプレート同様、回答してほしい情報(例:身長・体重・病歴 等)を自由に設定することができる “フォーム” といえる。一方で、Questionnaire には、Questionnaire がどのように使われるべきであるとか、Questionnaire を取り扱うシステムはどのような機能を提供すべきか、という具体的な指針が示されていない。これらを具体的に示した指針として、Structured Data Capture project や、FHIR Infrastructure work group 等により策定された、Structured Data Capture Questionnaire implementation guide(以下、SDC)がある。今回の取り組みでは SDC を参考に Questionnaire の Profiling を行うこととした。
参考:SDC Home Page
今後様々なプロジェクトで活用されることが見込まれるが、JASPEHRとして全てを包含する大きな定義を作成し、各プロジェクトにてそれをベースとしてサブセットを利用する方向性が想定されている。但し、現時点では具体的なサブセットは規定されていない。

Profiling の具体的な方針

Profiling にあたっては、以下の方針に従うこととした。

  1. Structured Data Capture FHIR IG の 2.7.0 版を参考とする。(FHIR version = 4.0.0)
  2. ベースとなる Questionnaire resource を出発点として、SDC で策定された Questionnaire (sdc-questionnaire ※1)、 Advanced Rendering Questionnaire (※2)、Advanced Behavior Questionnaire (※3) に近づけるよう、Profiling を行う。
    ※1:SDC の基本となる Questionnaire。
    SDC Questionnaire
    ※2:Questionnaire で定義された質問の画面描画方法(表・ドロップダウン等)を、具体的に示すことができるようにしたProfile。
    Advanced Rendering Questionnaire
    ※3:Questionnaire で定義された質問を画面表示した際、動的な制御の方法を具体的に示すことができるようにした Profile。
    Advanced Behavior Questionnaire
  3. 必要に応じて、上記の Profile で利用されていない Extension(拡張要素)も取り入れる。ただし、利用する Extension は HL7 等で “標準的に” 定義されたもののみとし、オリジナルの Extension は作成しない。
  4. 総合的に見て、Advanced Rendering Questionnaire や、Advanced Behavior Questionnaire のほうが、本プロジェクト参加施設が利用している電子カルテテンプレートシステムよりもリッチな機能を要求している。すなわち、これらの Profile をそのまま電子カルテテンプレートシステムで表現しようとすると、機能が足りず、各社電子カルテシステムの改修が必要になってしまう。本取り組みで策定した Profile をできるだけ複数病院に展開しやすくするため、基本的には本取り組み参加施設が利用している既存の電子カルテテンプレートシステムが実装できる範囲で Profiling を行う。
  5. SDC に定義されている “Adaptive Form” (エンドユーザーの入力に従って、動的に次の質問ページを作成する Questionnaire)には、現状の各社電子カルテが対応できないと判断し、その仕様は盛り込まない。
    参考:Adaptive forms
  6. 電子カルテに保存されているデータの “自動引用” について、SDC では3 つの方式が示されている。1 つは Observation-based 方式であり、Observation resource からのデータ引用を前提としている。残り 2 つは FHIRPath-based 方式および StructureMap-based 方式であり、いずれも FHIR resource からのデータ引用を前提としている。
    参考:Form population
    現状では、参加施設が利用している電子カルテデータを FHIR resource として取得する方法は整備されていないが、今後の整備の可能性も考慮し、今回の検討においては汎用性・容易性のバランスが良い FHIRPath-based 方式を Profile に盛り込むこととする。フォーム内でのデータの自動計算については、Advanced Behavior Questionnaire 等を参考に検討を行う。
  7. 電子カルテ情報共有サービスとの親和性を向上させるため、そちらで必須となった項目についてはJASPEHRにおいても必須とすべきかを検討した。現時点ではトップページに記載されているものだけであるが、今後仕様がFIXした時点でJASPEHRへの適用も確定させる。
  8. 様々な事業に対応できるようにQuestionnaireの一意性を担保するnameの体系を規定し、これを参照することで様々な振舞いを行う事を想定する。例えば、複数のQuestionnaireの意味のあるまとまりを判断出来たり、QuestionnaireResponseの送信先等の情報の判断が出来るようにするなどである。