5.1章 JASPEHRテンプレートのQuestionnaireResponseリソースサンプル
電子カルテ等より抽出した診療情報を必要に応じて仮名化し、センターリポジトリへ送信する、JASPEHR Gatewayを構築するための共通定義仕様を記載しています。
JASPEHR Gatewayサーバの構成は以下の通りです。
JASPEHR Gatewayの処理フローは以下の通りです。
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No |
機能名 |
機能概要 |
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① |
同意情報管理機能 |
医療機関で収集された同意情報を、JASPEHR GWにてHL7 FHIR Consentリソースとして仮名化FHIRリポジトリに格納します |
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② |
FHIRデータ仮名化収集機能 |
収集対象の診療情報をHL7 FHIR形式のデータとして抽出及び、仮名化し、仮名化FHIRリポジトリに登録するします |
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③ |
センター送信機能 |
データを集約するセンター側へ未連携のデータをHL7 FHIRの形式で送信します |
医療機関で収集された同意情報を、JASPEHR GWにてHL7 FHIR Consentリソースとして仮名化FHIRリポジトリに格納します。本同意情報は後述のFHIRデータ仮名化収集機能から参照できる必要があります。また、同意情報をCSV形式で取り込みができる機能を有します。
本機能は下記5つの機能を有します。①、②、④、⑤は医療機関から要求を受け付けた際に実行され、
③はセンター送信機能から要求を受けた際に実行されます。
なお、「2章 構成」の概要図では「同意情報管理機能」に該当します。
①-1.同意情報登録
①-2.同意情報更新
①-3.同意情報参照
①-4.同意情報削除
①-5.同意情報CSV取込
収集対象の診療情報をHL7 FHIR形式のデータとして抽出及び、仮名化し、仮名化FHIRリポジトリに登録する機能を有します。またJASPEHRテンプレート回答(QuestionnaireResponse)に記述された自動収集項目を解釈し、対応するデータの抽出及び仮名化、仮名化FHIRリポジトリに登録する機能を有します。
本機能は下記4つの機能を有します。本機能は、医療機関からの要求に応じて実行される場合と、事前に設定したスケジュール(例:毎日、毎週)により実行される場合があります。
なお、「2章 構成」の概要図では「仮名化収集機能」に該当します。
②-1.診療情報抽出
②-2.データ仮名化
②-3.JASPEHRテンプレート回答に基づく自動収集項目、仮名化対応
②-4.仮名化FHIRリポジトリ登録
データを集約するセンター側へ未連携のデータをHL7 FHIRの形式で送信する機能を有します。また、同意撤回した患者情報を、仮名化FHIRリポジトリ及び、センターリポジトリから削除する機能を有します。
本機能は医療機関から要求を受け付けた際に実行され、下記3つの機能を有します。
なお、「2章 構成」の概要図では「センター送信機能」に該当します。
③-1.センター側へ未連携の診療情報登録
③-2.JASPEHRテンプレート回答に基づくセンターリポジトリ送信先、送信方法への対応
③-3.同意撤回患者情報削除
①-1.同意情報登録
医療機関で収集された同意情報を、JASPEHR GWにてHL7 FHIR Consentリソースとして登録する機能を有すること。
・登録項目
・患者ID
・同意連携ID(※1)
・事業種別(※2)
・同意ステータス(※3)
・同意日
※1:システム内で一意に発番されるID
※2:同意を取得した事業種別
※3:同意登録の場合は、同意済のみ
①-2.同意情報更新
JASPEHR GWにてHL7 FHIR Consentリソースとして仮名化FHIRリポジトリに登録されたデータを編集し、編集後のデータをFHIRリポジトリに上書き更新できる機能を有すること。
・編集項目
・同意ステータス(※4)
・同意日または撤回日(※5)
※4:同意状態は更新の場合、再同意、同意撤回のいずれか
※5:同意状態が再同意で更新された場合は同意日を、それ以外の場合は撤回日とする
①-3.同意情報参照
JASPEHR GWにてHL7 FHIR Consentリソースとして仮名化FHIRリポジトリに登録されたデータを参照できる機能を有すること。
①-4.同意情報削除
JASPEHR GWにてHL7 FHIR Consentリソースとして仮名化FHIRリポジトリに登録されたデータを削除できる機能を有すること。
①-5.同意情報CSV取込
CSV形式で同意情報が連携された場合、ファイルを取込、HL7 FHIR Consentリソースとして同意情報を登録できる機能を有すること。CSVフォーマットは以下の通り。下記CSVで連携されたファイルから、「①同意情報の登録」の登録項目をHL7 FHIR Consentリソースとして登録できること。
・CSVフォーマット仕様
|
項目名 |
仕様 |
|
ファイル形式 |
テキスト形式 |
|
文字コード |
UTF-8(BOMなし) |
|
ヘッダ行の有無 |
有 |
|
改行コード |
CRLF |
|
値をダブルクォートで囲むか |
囲まない |
②-1.診療情報抽出
4.1章「同意管理機能」で登録された同意患者の診療情報をHL7 FHIRの形式で収集する機能を有すること。収集対象の診療情報は、同意患者の同意期間内のデータとすること。なお、取得対象のHL7 FHIRのリソースは以下の通りである。(2025/4/1時点)
・取得対象のHL7 FHIRリソース
・JP Core Patientリソース
・JP Core Conditionリソース
・JP Core MedicationRequestリソース
・JP Core Observation LabResultリソース
・JP Core Encounterリソース
・JASPEHRプロファイルのQuestionnaireResponseリソース
②-2.データ仮名化
4.2章「FHIRデータ仮名化収集機能」の「①診療情報抽出」で取得した診療情報の個人情報部分を仮名化する機能を有すること。HL7 FHIR形式で取得したデータの仮名化には、MicrosoftのOSSツール「Tools-for-Health-Data-Anonymization」が存在する。
②-3.JASPEHRテンプレート回答に基づく自動収集項目、仮名化対応
JASPEHRテンプレート回答(QuestionnaireResponse)に記述された自動収集項目を解釈し、対応するデータの抽出及び仮名化、仮名化FHIRリポジトリに登録する機能を有すること。
FHIR仮名化データ収集機能では、以下2点に対応すること。
1)自動収集項目
2)仮名化
1)自動収集項目
QuestionnaireResponseのmeta.tag.extension.valueExpressionに記述された内容に従い、
対応するデータを抽出する機能を有すること。
2)仮名化
QuestionnaireResponseのmeta.tag.extension.extensionに記述された内容に従い、4.2章「FHIRデータ仮名化収集機能」の「①診療情報抽出」で取得した診療情報の内、QuestionnaireResponseの項目を仮名化する機能を有すること。
②-4.仮名化FHIRリポジトリ登録
4.2章「FHIRデータ仮名化収集機能」の「②データ仮名化」で仮名化したデータを、仮名化FHIRリポジトリに登録する機能を有すること。登録対象のリソースは「①診療情報抽出」と同様である。
同様に、4.2章「FHIRデータ仮名化収集機能」の「③JASPEHRテンプレート回答に基づく自動収集項目、仮名化対応」の「2)仮名化」で仮名化したデータを、仮名化FHIRリポジトリに登録する機能を有すること。登録対象のリソースは「1)自動収集項目」で収集した項目である。
③-1.センター側へ未連携の診療情報登録
4.2章「FHIRデータ仮名化収集機能」で仮名化FHIRリポジトリに登録されたHL7 FHIR形式のデータをセンターリポジトリへ送信、格納する機能を有すること。送信する際、センターリポジトリに格納していないデータ(未連携のデータ)のみを送信する機能を有すること。
センターリポジトリに送信するHL7 FHIRのリソースは4.2章「FHIRデータ仮名化収集機能」の「①診療情報抽出」と同様に対応すること。
③-2.JASPEHRテンプレート回答に基づくセンターリポジトリ送信先、送信方法への対応
JASPEHRテンプレート回答(QuestionnaireResponse)に記述された自動収集項目を解釈し、対応するデータの送信先設定及び、送信方法を決定し、送信する機能を有すること。
センター送信機能では、以下2点に対応すること。
1)送信先設定
2)送信方法の決定及び送信
1)送信先設定
QuestionnaireResponseのmeta.tag.extension.valueUrlに記述された内容に記述された、
センターリポジトリの送信先にデータを送信する機能を有すること。
2) 送信方法の決定及び送信
4.2章「FHIRデータ仮名化収集機能」の「④JASPEHRテンプレート回答に基づく自動収集項目、仮名化対応」 1)自動収集項目の記述が存在する場合に、対応するデータとテンプレート回答されたQuestionnaireResponseリソースをHL7 FHIRのBundle形式でセンターリポジトリに送信する機能を有すること。なお、記述が存在しない場合は、テンプレート回答されたQuestionnaireResponseリソース単体でセンターリポジトリに送信すること。
③-3.同意撤回患者情報削除
センターリポジトリに送信する際、同意撤回された患者がいた場合、仮名化FHIRリポジトリ及び、センターリポジトリに登録されている対象患者のデータを論理削除する機能を有すること。
削除対象のリソースは4.2章「FHIRデータ仮名化収集機能」の「①診療情報抽出」、及び4.2章「FHIRデータ仮名化収集機能」の「③JASPEHRテンプレート回答に基づく自動収集項目、仮名化対応」の「1)自動収集項目」と同様である。
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"tag": [
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"url": "http://hl7.org/fhir/uv/sdc/StructureDefinition/sdc-questionnaire-endpoint",
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